北海道が誇る高級魚“マツカワ”。
マツカワはカレイの一種で、
その希少性から市場に流通することは
ほぼなく、高級料亭や寿司屋などでしか
お目にかかれないんだそうです。
※画像は白糠漁協Facebookより
私も北海道に移住してから
その存在を知りました。
北海道のマツカワの漁獲量は
1960年代には日高の浦河漁協だけでも
50トン以上あったそうなのですが、
1980年以降、ほとんど獲れなく
なったのだとか。
そこで、マツカワ種苗放流事業が
北海道で始まりました。
2006年度から開始された
約100万尾の大量放流による効果は
とても顕著で、2008年度から
漁獲量は急増。
2016年度の北海道~常磐(※1)の
漁獲量は176トンとなり、
近年はおおよそ、このくらいの量で
安定しているのだそうです(※2)。
(※1)=茨城以北太平洋海域
(※2)ソースは道総研水産研究本部資料
釧路管内でも
漁獲高の向上と安定を目的に、
釧路管内の漁協と自治体で
釧路栽培漁業推進協議会を結成。
毎年8月の後半に
放流作業を行っています。
私は2020年、2021年の2回
放流に同行させていただきました。
マツカワの稚魚は、
(社)北海道栽培漁業振興公社が
マツカワの種苗生産事業を
行っている伊達市から、
約5時間かけて釧路市まで
やってきます。
こちらを人力で岸辺まで運び、
浅瀬から海へと放流します。
放流した稚魚は約8万匹ほど。
2020年・2021年いずれも
釧路市千代ノ浦の
某所で放流されました。
海に放たれたマツカワの稚魚は
沖をめがけて泳ぎ始めますが、
一部の稚魚は、近場の
浅瀬の砂にもぐって
身を隠そうとします。
しかし、そんな彼らを狙う
ウミネコたちが…。
いかん!
このままでは
食べられてしまう!!
そう思った私は
波間に突撃し、
浅瀬の稚魚たちを
拾っては沖に投げ
拾っては沖に投げを
繰り返しました。
(長靴はいていました)
そんな中、再び浅瀬に
戻ってくる稚魚の一団が。
「なんだなんだ?」
と不思議に思う私に、
漁協関係者さんがひと言。
「そのままでいいですよ。
沖に行けない稚魚は、
どのみち生きていけないんです」
詳しく伺うと、
沖に行けない
||
体力がない・危機回避能力が低い
||
生存競争に敗北
ということらしいのです。
厳しいですが、
それも自然の摂理。
大人になるまで約3年。
さまざまな天敵に狙われ
命を落とす稚魚も多いと思いますが、
大きく成長して、白糠の海にも
やってきてほしいものです。
終わった後、
近くで見ていたカップルから
「何してたんですか?」
と聞かれた私は、
完全にアレな人。
それもそうでしょう。
はたから見たら、
謎の熟女が波間で
砂を拾っては投げ
拾っては投げしている
わけですから…。
※写真・画像は2020年度・2021年度両方使用
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