白糠町中心部から北へ車で約10分、
自然栽培でさまざまな農作物を育てている
『もりもりふぁ~む』さんに
お邪魔しました。
もりもりふぁ~む代表の
成澤寛和さんとお嬢さん。
お嬢さんにはプライバシー保護の
アイコンを入れましたが、
目がぱっちりしたとっても愛らしい
お嬢さんです♡
こちらは奥様。いんげんの収穫中です。
この前日にはジャガイモ、
当日はいんげんの収穫が行われるなど、
ただいま夏の収穫がまっさかりです。
もりもりふぁ~むさんは
昨年白糠で新規就農し、
2年目となる今年はさまざまな作物の
栽培にチャレンジなさっています。
珍しい農作物も育てていらっしゃるので、
そちらもぜひご注目ください。
こちらは黒千石(くろせんごく)という
大豆です。
黒千石は1941年(昭和16年)ごろから
北海道の十勝地方を中心に
栽培されていましたが、
栽培に手間がかかりすぎるため、
1970年代には生産されなくなり、
以降「絶滅した幻の品種」と
言われていました。
しかし2001年に、北海道茅部郡森町の
農業研究家・田中淳氏が原種を発見。
状態の良い約50粒の種を厳選し、
そのうち28粒が発芽しました。
その後豆は津軽海峡を越え、
岩手県へ。
世界的な豆の研究者である
有原丈二氏の指導のもとで増産され、
畑作として生産できる数になってから
故郷である北海道に戻り、
栽培が再開されたそうです。
絶滅寸前からの復活…!
ドラマティックな運命を
たどってきたんですね。
幻の大豆…う~ん、食べてみたいです!
さらに黒千石は、
健康にも非常に良いのだとか。
2007年と2006年に
日本食品分析センターが行った
機能性成分分析結果では、
他の黒大豆よりも大豆イソフラボンと
ポリフェノールの値が高い結果に。
また、北海道大学遺伝子病制御研究所は、
2008年、感染抵抗力やがんへの
免疫を高め、アレルギー症状を抑える
インターフェロンγの生成を促す
物質を発見しました。
すごいですね…!
続いて黒豆。
紫色の花が愛らしいですね。
もりもりふぁ~むさんでは
獲れた豆を納豆に加工・販売しています。
私もいただきましたが、
ぎゅっと味が濃くて
豆の香りも良く、
とっても美味しい納豆でした!
数量限定のため、
次回生産はもりもりさんの
InstagramやFacebookで
告知があります。
ご興味のある方、
ぜひチェックしてください。
もりもりふぁ~む公式SNS
他にも白い花を咲かせる緑貝豆、
紫の花を咲かせる栗豆、
赤い花を咲かせる紫花豆など、
さまざまな豆類を育てています。
私が好きなのは栗豆です。
栗豆はその名の通り、
砂糖のシロップで
じっくりゆっくり炊いていくと、
マロングラッセのような
ねっとりリッチな食感になります。
シロップと一緒にヨーグルトに入れたり、
そのままお茶うけにもおすすめですよ。
続いて食用ほうずき。
私、初めてほうずきを食べたんですが、
まさに感・動・体・験でした!
トマトのような風味がありつつも、
さくらんぼみたいな甘酸っぱさ。。。
みずみずしくてビジュアルも◎です♡
殻の美しさにうっとり
↓
殻をむいて楽しい
↓
食べて驚きの美味!
という一連の流れが
素晴らしいと感じました。
確実に30代以降の食に敏感な方受け
バツグンなのでは…!
突然ですが皆さま、
コンパニオンプランツって
ご存じですか?
「何も使わないで、自然と仲良く
やってみようと思ったんだよね」
と語るのは、
代表のお父様である成澤祥明さん。
もりもりふぁ~むさんでは
肥料・農薬を一切使用しない代わりに、
さまざまな知恵と工夫で、
作物がいきいきと成長できる
環境を整えています。
《農学や園芸学において、
近傍に栽培することで互いの成長に
よい影響を与え共栄しあうとされる
2種以上の植物の組み合わせ、
またはそれらの植物のこと。》
コンパニオンプランツ…wikipediaより
相性の良い植物を隣接して植えると、
成長促進・虫よけ・収穫量増・
風味や芳香UPなどの良い
効果があるんだとか。
柵に沿って植えられた
こちらのマリーゴールドも、
コンパニオンプランツ。
土の中に生息する線虫という虫は
根を腐らせたり
こぶ状にしてしまったり、
葉を白くさせて
立ち枯れさせてしまったりと、
かなり厄介な存在です。
マリーゴールドは線虫への
殺虫効果をもつため、病害の抑制に
広く用いられているんだそうです。
こちらはイタリアンでおなじみの、
トマト&バジルのコンビ。
こちらもコンパニオンプランツとして
有名なコンビなんだそうです。
コンパニオンプランツの
科学的なエビデンスや立証については
「これから」というものが多いそうです。
しかし、経験則から実際に
効果が得られているものもあり、
コンパニオンプランツの効果は
決してゼロではないのでは…というのが
私の個人的な印象です。
それでは、畑の風景に戻ります。
こちらはトマトエリアの中にある
ピンクトマト。
もりもりふぁ~むさんでは
自家採種を行っているのですが、
こちらのピンクトマトは
「いつの間にかできてしまった」
とのこと。
赤系トマトと黄色系トマトが
いつのまにか受粉して
できたみたいです。
成澤代表はフルーツトマトが
推しとのことで、
そちらも食べてみたいです。
また、イタリアに旅した方が
現地の農家さんから譲り受けた
黄トマトの種も元気に育っているとのこと。
こちらも注目ですね。
そして皆さんお気づきでしょうか?
もりもりふぁ~むさんでは今年、
トマトの露地栽培に挑戦しています!
これって北海道ではかなり
チャレンジングな
取り組みではないでしょうか。
(北海道のトマト栽培は、
ほとんどがハウス栽培のため)
代表曰く、まだ探りさぐりとのことですが、
実りが楽しみです!
こちらは蕎麦。
通常よりも背が高く育っています。
通常、蕎麦はもっと間隔をあけて
種を撒くのだそうですが、
密集すると背を高く伸ばして
陽を浴びようとするんですね。
続いてズッキーニ。
大きいですね!
ズッキーニはかぼちゃの仲間で、
原産地は北アメリカ南部と
考えられています。
むくみや便秘防止に加え、
ビタミンCやB類豊富で
美容・美肌にもいい野菜です。
ヒエもすくすく育っています!
畑の中でも広めのスペースを使って
育てられている大豆。
自然栽培で育った大豆で作った
お豆腐が作られたら、
ぜひ食べてみたいです。
もりもりふぁ~むさんでは
鞍掛豆(くらかけまめ)という
珍しい大豆を栽培しています。
鞍掛という名前の由来は、
豆の模様にあります。
青みがかったベージュに入った黒い斑が、
馬に鞍をかけたような模様に
見えることから、
鞍掛豆という名前になりました。
また、パンダのように
見えることから「パンダ豆」と
呼ばれることもあるようです。
こちらの豆、
栽培している農家さんが少なく、
店頭ではまず出会えない豆なんだとか。
こちらもある意味、幻の豆かも
しれません…。
こちらは茶インゲン。
茹でると緑になって、
そのまま木で熟すと
茶色の種が出てくるという、
なんとも変化多彩なインゲンです。
※葉の影になっていますが、
実物は紫色です
こちらは真珠豆。
きれいな名前ですね。
その名の通り、
真珠のように白くて丸い、
美しい豆が実ります。
農場内を歩いていると、
空いているスペースの表面を
枯れた草が覆っているのに気が付きます。
これは、やむなく刈った
作物以外の草を、
虫や微生物が生息する環境として
残しているんだそうです。
「作物も雑草も、
根っこでつながっている。
だから、雑草だからって
むやみに抜いちゃうと、
作物の根も痛んでしまうんだよ」
と、お父様の祥明さん。
もりもりふぁ~むさんでは
雑草といえどもむやみに抜かず、
草が作物を覆ってしまうような時だけ
表土を削って雑草の草部分だけを刈り、
根は残しているんだそうです。
「いろんな生き物や作物が共生しながら、
育っていくのが、昔ながらの農業であり、
自然であると思うんだ。
自然栽培って言っても、
そんな特別なことじゃないよ。
いろいろ試していくうちに、
このやり方がいいなって思っただけ。
うちは昔ながらの農業を
やっているだけだよ」
と祥明さん。
自然栽培=昔ながらの農業という言葉が
胸に響きました。
こちらは秋大根。
まだまだ小さい芽ですが、
これが大根に成長するんですね!
レタスもこれから成長します。
そしてこちらはジャガイモの
「さやあかね」。
「生えてるの?」と疑問ですよね。
(私も思いました)
先日上の葉を刈り、
地面の下で熟成させているそうです。
さやあかねはほんのりピンクの
皮が特徴で、
甘みが強く、煮崩れしずらい
じゃがいもです。
皮付きのままざっくり切って
フライドポテトにするのも
美味しいですよ。
私のお気に入りは、
アツアツのマッシュポテト状にして、
そこにレンチンで温めた牛乳or生クリームと
トロトロにしたチーズを練り込んで
フランス風マッシュポテトの『アリゴ』に
しちゃうというもの。
アリゴというのは、フランス中南部
Aubrac地方の郷土料理です。
肉料理の付け合わせにも良いですし、
生野菜のディップやパンに乗せたり
いろいろ楽しめます。
作るのも簡単ですし、
お餅みたいに伸びて楽しいですよ。
さやあかねはホクホクしているので、
マッシュにしたときも
ジャガイモらしい甘味と
風味、質感が感じられます。
皆さん肩に力が入らず自然体。
でありながら、していることは
とってもチャレンジングという、
なんとも素敵な
もりもりふぁ~むさん。
「白糠の土そのものの力を
ダイレクトに味わえるのが
自然栽培の魅力のひとつです。
白糠は山海の幸に恵まれた
素晴らしい土地です。
ぜひうちのファームや町内に来て、
自然のものを食べて、
元気になっていただきたいです」
と祥明さん。
代表は
「今後は新規就農者の方々とも連携し、
農業機械のシェアや収穫時の手伝いなど、
互いに助け合いをすることで、
ひとりではできないことも
できるようになるという、
そんな形を少しずつ実現していけたら」
と語ってくださいました。
代表、将来的には
ファームステイができる
農場展開も考えているそうで、
今後も目が離せません。
まだまだ追っかけさせて
いただきます☆彡
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