今月2日から始まった
今年の毛がに漁。
白糠町の毛がには、
9月から12月にかけて
「毛ガニ篭漁業」という漁法で
行われています。
毛がに篭漁とは、一本のロープに
10メートル間隔で100個ほどの
篭を括り付け、中にはイカなどの
餌を入れて、海中にいくつも
設置する漁法です。
こちらが毛がに篭
※こちらの写真は北海道総研公式HPより
引用させていただいています。
この漁法は、毛ガニを傷つけることなく
生きたまま捉えることが可能です。
白糠漁協毛がに部会では、
資源保護を目的に、
甲長(※)9cm以上の
毛がにのみを漁獲対象に設定。
基準以下の毛がには
船上選別の段階で海へ放流し、
後続群の育成=資源保護に努めています。
(※)甲長=甲羅の縦の長さ
生きたまま捕獲することで
毛がにの鮮度保持と同時に、
資源保護も実現していらっしゃるんですね…!
ちなみに毛がにのサイズを測る
道具を“サシ”といいます。
これで甲長を測ります。
↓こんな感じで測ります
※こちらの写真は白糠漁協提供
そしてこのあと、白糠町の道の駅
しらぬか恋問(以下 恋問館)にある
漁協直売所の加工場の様子を
取材させていただきました。
朝、水揚されたばかりの
ピッチピチに活きのいい毛がにが
加工場に運ばれ、
まずはタグをつけられます。
手前のおふたりが手にしている
白い輪状のものがタグです。
これは、白糠漁協毛がに部会による
厳しい品質管理をクリアした毛がにだけに
つけられるものなんです。
続いて、茹でている間に
足がもげないよう、
輪ゴムで固定します。
優しく丁寧に輪ゴムをかけていきます。
一見簡単そうに見えますが、
これがなかなか難しいんです。
毛がにが暴れるのを防いだり、
足をきちんと折りたたむのには、
毛がにの動きや体の仕組みを
きちんと理解していなくては
できない仕事なのです。
輪ゴムをかけた毛がには
かごに入れられます。
そしていよいよ茹でに入ります。
ふたりがかりで
かごを釜に入れ、
空いたスペースにも
毛がにを投入していきます。
再び沸騰させ、そこから
約25分間茹でます。
その間も漁協女性部の
皆さんは、次に茹でる毛がにの
タグ付け&足の固定作業を
続けます。
茹で上がったかチェックが入って、
ここから一気に釜から
引き揚げます!
田村さんいわく、
「うちの毛がには、素材そのものの
味を活かすため、なるべく薄味で
茹でています」
水につけて
粗熱をとります。
このあと、女性部の皆さんで
細かい部分を洗うのだそうです。
といっても、茹でる前に
きれいに洗ってあるのですが、
生のかにを茹でると、
“あぶら”(※詳細は下方の余談へ)
と呼ばれる白い物質が
殻につきます。
見た目をきれいにするために、
毛についたり甲羅の溝に
着いたあぶらを
取り除くんだそうです。
茹で上がった毛がには
CAS冷凍(※)されるもののほかに、
シーズン限定で
浜ゆで状態のものが
手に入ります。
(※)「CAS(キャス)冷凍」
白糠漁協直売所では、
移植用細胞や臓器の長期保存にも
応用できる技術として注目の
CAS冷凍庫を導入。
冷凍による細胞破壊がないことから
解凍してもドリップ非常に少なく、
毛ガニの魅力のひとつである蟹味噌も、
茹でたてと遜色のない味を
楽しむことができます。
こちらの浜ゆで毛ガニは、
恋問館の漁協直売所で販売中!
(2021年9月9日撮影)
もちろん水槽にも
元気な毛がにが
いっぱいです!
恋問館 漁協直売所の
高宮さんいわく、
「水槽には600g以上の
大きなかにを厳選しています。
シーズン限定の
浜ゆで毛がにも
販売しています。
価格は変動もありますが、
9月9日現在は100gあたり900円です。
旬の時期ならではの
繊細で豊かな味わいを
ぜひお楽しみください」
とのことです。
ぜひ皆さんも白糠町の毛がにを
ご堪能ください。
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ちなみにこのあぶらと呼ばれる
白いふわふわやぴろぴろの正体は、
なんとカニの血や体液が
固まったものなのだそうです!
血というと赤いイメージですが、
これは血液内で酸素を運ぶ
ヘモグロビンが、酸素と
結合してなる色。
主に哺乳類や魚類の血に
含まれています。
一報、甲殻類の血の中で
酸素を運ぶのは
ヘモシアニンという成分で、
これが酸素と結びつくと
青くなります。
つまり、甲殻類の血は
生きている間は
青いんだそうです。
そして、水揚げされて
酸素不足になると、
甲殻類の血液は無色透明に。
透明になった血液が
茹でられて凝固すると、
この白いふわふわや
ぴろぴろになるんですね!
もちろん私はこのことを
知る前から全部食べてます。
なぜなら美味しいから!
北海道に来てから
かにの美味しさ、
特に冷凍していない浜ゆでの
かにの美味しさに取りつかれた私。
給料日にかに、誕生日にかに、
頑張った日にはかにと、
絶賛かにの虜。
花咲がに、たらばがに、ずわいがに、
くりがに、あぶらがに…。
もう美味しいかになら
何でもいいですよ!
とか言っている私ですが、
やっぱり白糠の毛がには最高です!
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