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執筆者の写真shiranuka_fan

稚魚放流 Release the fries into the river.

桜の季節を過ぎ、 芽吹いた緑がますます濃くなる5月の半ば。 庶路川沿いのさけます中間育成施設に 地元白糠の漁師さんたちが集まり、 鮭の稚魚を放流しました。




作業はまず、井型に組んだパイプを

手前側の左右に渡します。


その対岸ではふたりの漁師さんたちが

左右に分かれ、 網を槽の幅いっぱいに広げて

井形パイプをセットした位置に向かって歩きます。



井形パイプのところにも漁師さんたちがいて、 網を持って迫ってくる漁師さんたちが近づくにつれ、 井形パイプ側の漁師さんたちは足でしぶきを作り、 稚魚を網へと追い込みます。

横へ回り込むのを防いでいるんですね。





ある程度稚魚が網いっぱいになったら、

網を90度回して、

槽の長辺と平行にしてから

いったん網を閉じます。


再び網を90度回して、

網の口開いて

井型のパイプにかけます。



稚魚いっぱいの網の中に

ホースの先端を入れます。 すると、水ごと稚魚が

どんどん吸い込まれて行きます!




そう、これは吸引ポンプで 吸い込んだ稚魚を水ごと川に流せる すごい機械なんです。



このマシンが導入されたのは

約3年ほど前。 その前はみなさん手作業で

川に放流していたとのことで、 漁師さんたちのご苦労がしのばれます。


一つの槽でこの作業を2~3回繰り返し、 とりこぼしを防ぎます。



「例年は4月末から5月GW明けに放流するんだ。

ようやく最近温かくなってきてね。

今年はすこし遅いかな」

と語るのは、漁師の平賀さん。


「あたたかいとよく餌を食べるね。

今年も稚魚の育ち具合はいいと思うよ。

白糠と隣町の音別の育成施設は

もう放流が終わってね。

この辺では今日の庶路が最後なんだ」

と教えてくれました。





吸引されてから川に放流されるまで約10秒ほど。 稚魚たちは約1週間~10日ほど

時間をかけて川を下り、

次第に濃くなる海水に体を慣らし、

太平洋へと旅立っていきます。



「こないだまで桜がきれいでね。

水面に花びらが散って

風情ある景色だったよ」と

前回も取材させてくださった

中村さん。


育成が始まる真冬から今まで、

大切に稚魚を育ててくれました。

(右:中村さん)


放流が澄んだら、

皆さんで片づけます。

中村さんはさらにこのあと

数日間~10日かけて

施設全体をきれいに掃除するそうです。




太陽にきらめく庶路川の水面を見て、

「また元気に白糠に帰ってきてほしい」

と 感じました。


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