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執筆者の写真shiranuka_fan

道東ベリー栽培のパイオニアが挑む新たなチャレンジ


白糠町の北部・上茶路にある

驚きの森は、無農薬・無化学肥料で

各種ベリー類を栽培している農園です。



石窯ピザやここで採れた

ブルーベリーを贅沢に使った

本格スイーツを楽しめるカフェ

“驚きの森Labo”を併設しています。




驚きの森 代表をつとめる

横田宣伯さんは、

2004年に関西から白糠町へ移住し、

ここ上茶路の地で、豊かな自然と

共存する生活を満喫しています。




釧路管内唯一のブルーベリー農家として

道内外に多くのファンを持つ横田さん。



白糠町でブルーベリー栽培を

始める以前は、本州で

天体観測所の設計や管理、

プラネタリウムの解説員、

そして、自然好きが高じて

シーカヤックや山の

アウトドアガイド経験もあるなど、

多彩で珍しいキャリアを

お持ちの方なのです。


横田さんが元エンジニア

=リケダン(理系男子)だったなんて…!

つい最近まで知りませんでした!




畑の一角の水たまりですくすく育つ

オタマジャクシ。

多様な生物が共生する豊かな環境も

この森の魅力です。




横田さんはアウトドアガイド時代、

森の生態系を観察するうちに、

“なぜ森の木は、農薬や

肥料がなくても豊かに育つのか?”

と考えるようになり、

その考察が、現在の

ブルーベリー栽培に

活きているのだそうです。



横田さんが白糠町で

ブルーベリー栽培を始めて

今年で14~15年経ちます。


今では約1200株もの

ブルーベリーを栽培しており、

量・質ともに安定して

収穫できるようになったそうですが、

ここまで来るのにも

ご苦労があったかと思います。


お一人でいろいろ

大変だったのでは…と聞くと、

「好きだから全然!」と、

横田さんは笑顔で語ります。




こちら野生種のラズベリー。

交配されていないラズベリーを

食べられるのは、かなり貴重なんです!


驚きの森ではブルーベリーや

ラズベリー(エビガライチゴ)などの

ベリー類を栽培していますが、

近年力を入れているのが

クランベリーの栽培です。


こちらがクランベリーの花


北米やカナダでは、

とても盛んなクランベリー栽培。

しかし、日本でのクランベリー栽培は

ほとんどが自家消費用なのだそうです。




「まだこれからなので」と

横田さんはおっしゃいますが、

ここまでの規模で商業用に

クランベリーを栽培をしているのは、

日本国内ではほぼないのだとか。


そのため、農業を中心とする

さまざまな団体が調査に訪れたり、

協力を依頼されています。



クランベリーの実は

栄養価でいいますと、

ポリフェノールの一種・

プロアントシアニジンや

ビタミンCの含有率が

高いです。


特にプロアントシアニジンは、

数ある果物の中でも

トップクラスの含有量!


現在、さまざまな研究機関で

エビデンス取得のため実験を重ねており、

人生100年時代を迎えた現代、

人が健康に長く暮らしていくための

カギの一つとして、

全世界から注目を集めています。



そして、栽培の本場・北米やカナダでは、

クランベリーは

「ボグ」という特殊な畑で

栽培されています。

(画像は素材です)



ボグの構造は日本の

水田に似ていまして、

土を平らにならし、そのまわりに

土手をつくって、内側に水を溜めることが

できるようになっています。


平らな土の部分にクランベリーを植え、

実は2種類の方法で収穫されます。


この収穫方法は「ウェットハーベスト」と

「ドライハーベスト」と呼ばれています。


◆テイストメイドジャパン公式Youtube


前者はまさに水田のように水を張って、

浮かんでいる実を集める方法。

後者は水はためずに、

収穫機で集める方法です。



一度に大量の実が

収穫できるウェットハーベストで

大部分(=加工用)を収穫し、

生食用として少量を

ドライハーベストで

収穫するのだとか。


※生の実は酸味と渋みが強いため、

大半がジャムやソース、ジュースなどに

加工されます。


しかも、ウェットハーベスト

にすると、越冬がしやすいのだそうです。



凍てつく旧古瀬駅周辺


北米やカナダも

寒さが厳しい土地ですが、

水を深く張ることで表面のみが凍り、

木が植わっている底の水温は、

0度より下がらないんだそうです。


寒さに強いベリー類ですが、

さすがにマイナス20℃にもなる

道東の冬は、対策をしないと厳しいようです。



横田さんはウェットハーベストと

越冬方法を実験すべく、

現在試験用の培地を準備。

今年8月頃の収穫→越冬に備え、

着々と準備を進めています。



「クランベリーは道東での

栽培方法が確立されていないので、

いろいろ試行錯誤している最中です。


でも、ブルーベリーも最初は

“道東で栽培なんて不可能だ”と

いろんな人に言われてきましたが、

今こうして品質の良い実を

安定して収穫できるようになっています。


私は何かにトライして、

失敗したっていいと

思っているんです。

それを次に活かせば、

もはや失敗では

なくなりますから」


と笑顔の横田さん。


白糠町の新たな名産品が

産まれるかもしれません!



自然を愛し、ベリー栽培を

心から楽しんでいる

その様子は、少年のように

とてもいきいきと

していらっしゃいます。


理系出身ならではの

ロジカルな考え方と行動力、

そして、枠にとらわれない

柔軟な発想が、道東ベリー栽培の

パイオニアとしての

ご活躍を支えているように感じます。




驚きの森のこれから先の

ビジョンをうかがうと、


「クランベリーの本格栽培に加え、

デイキャンプやグラキャン(※)など、

長時間ゆっくり楽しんでもらえる

滞在型カフェを展開したいと考えています。


遊具を置いたりして日常の延長として

過ごすというよりは、

日常を離れた異空間として

楽しんでいただける場を

作っていきたいですね」


と語ります。


横田さんがクリエイトする異空間、

とっても楽しみです!

クランベリー栽培と共に、

これからも応援させていただきます!



(※)グランピングのように、

食事のサービスやホテルのような

ラグジュアリーな施設はないけれど、

おしゃれなテントに泊まれる

    +

みんなで食材を持ち寄って、

バーベキューやアウトドア料理など

キャンプならではの楽しみを味わえる

    ↓

そんな、グランピングとキャンプの

イイトコどりが「グラキャン」です。


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